3年ほど前にバズったロボットハンドの開発備忘録を書いていきます。
動機
ロボットエンジニアを目指すきっかけが映画のアイアンマンであり、もともといつかはアイアンマンを作りたいと思っていました。
高校で研究テーマを決める際、まずは手から行ってみようと思ったのがきっかけです。
開発初期
最初はスマホが使えて、指が両側に曲がることで右手としても左手としても使える義手を想定していました。(途中でロボットハンドにしたけど、筋電位を読むセンサーを使えば義手にもできるかも?)手のひらや指先にモーターを仕込める気がしなかったので、腕にサーボモーターを積んでワイヤー駆動にすることに。デザインを考えるためまずノートに手形を取って、関節の位置を書いて、fusion360で再現してadventurer3で印刷して、ナイロンワイヤーを接着剤でくっつけて引っ張ってみた。
なにこれ?
両側に曲がるために、両方の糸を引っ張るとこうなってしまった。
さらに片方に曲げる時も指先から順に曲がってしまい、とてもじゃないが指とは言えない。こんなんじゃだめだということで、とりあえず指をまっすぐに保てるようなものを探したところ形状記憶合金ワイヤーなるものを発見。巻き爪治療とかに使われてる、まっすぐに戻ろうとする力の強い針金、というより棒ばねのようなもの。これを指の中心に入れたらワイヤーのテンションをかけてないときにまっすぐになったのはもちろん、各関節ごとに適切な力が加わるようになり、すべての関節が同時に曲がるようになり人間の指らしい動きをするようになった。これは想像以上にいいアイデアだったらしい。
これで人差し指から小指はこれの長さを変えるだけとなった。
問題は親指である。あまり自分の手の動きをまじまじと観察したことのある人は少ないだろうが実は親指の動きは3軸くらいある。手を握るとき、親指はまず第二関節が曲がるのと同時に指の根元から人差し指から離れるように傾く。次に生命線から親指側全体が持ち上がり、最後に第一関節が曲がっている。
これらを再現するためにいろいろと試行錯誤した結果できたのがロボットハンド第1号だ。
スマホはいじれないがほぼ初期構想通りに作ることができた。ロボットハンドの画像を調べても親指の可動域にここまでこだわったものは少ない。
次回予告
とりあえずできたロボットハンドだが、今のところじゃんけんマシーンにしか使えない。手のいいところは複雑な操作ができる点にあるので実際の手に連動して動くようにしたい。
そこでデータグローブをつくることにした。
Discussion
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